松本人志が文藝春秋社への訴えを取り下げた一番の理由はこうだ。
率直に書くが、先の選挙で自民党が過半数割れという結果に終わったこと、これと
無関係ではないだろう。松本人志さんの芸能界での影響力と、政界・吉本興業との
つながりは、かねてから注目の的だった。過去、私も連載で、彼の下品な女性漁り
の手段や、元マネージャーとの癒着について少し触れたことがある。癒着とは、権
力とそれに寄り添い、甘い汁を吸う者との関係。だが、松本さんほどの影響力を持
つ存在でなければ、ぶら下がる側も成り立たない。
松本さんは、元総理の安倍さんとも接点を持ち、業界の頂点まで登りつめた。その
彼が、性的スキャンダルで業界を揺るがせたのは非常に痛手だったはずだ。加害を
告発した女性たちの苦しみは紛れもない事実だし、AV女優が彼を擁護した際にも、
彼女は「単なる女性お調達役」であり、松本さんの好みからは大きく外れていたた
め、力関係をお互いに理解していた仲だったから当然の庇護行動だった。そして松
本さんは、「まさか裁かれることはない」と高をくくっていたのだろう。何より、
時の権力者と深くつながり、多くの国民からも「面白いから」と支持されていた。
これに支えられていたため、文藝春秋社に訴訟を起こすという暴挙に出たのだ。
松本人志と文藝春秋社
だが、今回の訴えの取り下げは、選挙結果と無縁ではない。自民党の支持基盤が揺
らぎ、性的スキャンダルを揉み消す力を失ったことで、松本さんは守られる存在で
なくなったのだ。そして、この機会に新たに告発に踏み切る女性が増える可能性も
ある。裁判を続ければ、背後の後ろ盾が消え、むしろ危険な証言が次々と出てくる
恐れがある。そんな背景から、訴えを取り下げる判断に至ったのだろう。実際、元
アイドルリーダーがSNSに投稿した内容も一般ニュースで取り上げられた
。
こうした参戦には、「よくぞ言ってくれた」と拍手を送りたい。できればもっと早
くに投稿して欲しかったけど、いろんな事情があったんでしょう。この業界に長く
いる私も、松本さんの「悪い癖」について、同じ事務所の先輩からそれとなく警告
を受けたことがある。彼の取り巻きの一人から飲み会に誘われたこともあるが、そ
の鼻息の荒さと品のなさに悪寒を感じ、断ったのは今でも正解だったと思う。無防
備な女性なら、簡単に飲み会に引き込まれても不思議ではない空気があったのだ。
結局のところ、松本さんが絶対的な性的加害者であることは変わらない。週刊誌を
訴えてまで否定しようとしたが、政治と芸能界の癒着が崩れ、裁判を続けることが
得策でなくなった。彼は、誰に対して、何に関して、が欠けている曖昧な謝罪文を
掲載した。そして一気にこの件を風化させるために動いているのだろう。
事実業界では、この一件をもって彼が「けじめをつけた」とし、仕事復帰に向けた
ステップが進められている。復帰後には、自虐的なギャグでこの事件を笑い話にし
、風化を図るだろうというのが、私の見立てである。
レイカ
サカモト レイカ
サカモト レイカ。某芸能事務所のマネージャー。読者をあっと言わせた暴露コラムが大ブレーク。コラムニストとしても活躍中。競馬・競輪会にも顔が広く、コネも多い。そして、大のギャンブル付きということもあり、オンラインカジノなび、スポーツベットなびでもコラムを担当。
英語・フランス語を得意とするため、海外メディアでもコラムを担当し、開発アプリ採用されたアイデアのよって某企業の売り上げが15%(前年比)となった多才な女子。
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